ジャーナリングのテンプレートは、数を集めるほど書けなくなります。必要なのは、どの順番で書くかが決まった型を1つ持つことです。
僕はジャーナリングを1500日以上続けてきました。この記事では、動画で話した書き方をもとに、いま僕が運用している5つのテンプレートを、記入例つきでそのまま写せる形で載せます。朝の目標、夜の100点採点、感情の書き出し、行動直後の内省、月1回の見返し。まずは夜の採点から、今日試してみてください。
ジャーナリングのテンプレートとは、書く順番を先に決めた書式のこと
ジャーナリングのテンプレートとは、「何を・どの順番で書くか」をあらかじめ決めておく書式のことです。白紙に自由に書くのではなく、決まった項目を上から埋めていく。書く内容を毎回考えなくていいので、手が止まりにくくなります。
よく似た言葉に「テーマ集」があります。テーマは何について書くかというお題で、テンプレートはどの順番で書くかという枠組みです。テーマをいくつ集めても、どれをいつ使うかが決まっていなければ、白紙を前にした迷いは消えません。僕が先に用意してほしいのはテンプレートの方です。
この記事は、僕のジャーナリング解説動画(35.3万回再生)をもとに、動画で話した書き方を「そのまま写して使える書式」に組み直したものです。考え方や効果の全体像は動画で、手元に置く型はこの記事で、という使い分けを想定しています。
この記事は動画『【完全版】書く習慣「ジャーナリング」で人生が変わったので紹介します』(35.3万回再生)をもとに構成しています。全編は20分です。
僕はジャーナリングを1500日以上続けています。やり方はいろいろ紹介されていますが、僕はシンプルなものが好きです。その方が続けやすいからです。この記事に載せるのは、動画で話した書き方のうち、いま僕の運用に組み込んでいる5つだけです。数を増やすより、決めた型を深く使うのがおすすめです。
1500日続けている僕が使う5つのテンプレート
先に全体像です。5つはバラバラの手法ではなく、「朝・夜・随時・行動の後・見返し」という時間帯と場面で役割が分かれています。全部を今日から始める必要はありません。1つ選ぶなら、僕は夜の採点からをおすすめします。
| テンプレート | いつ使うか | 目的 | 所要時間 |
|---|---|---|---|
| 1. 朝の目標書き出し | 毎朝 | 今日やることと大事にしたいことの確認 | 3〜5分 |
| 2. 夜の採点 | 毎晩 | 進捗の可視化と改善点の特定 | 5分 |
| 3. 感情の書き出し | モヤモヤしたとき随時 | 頭の中の整理・ストレスの軽減 | 3分〜 |
| 4. 行動直後の内省 | 何かを経験した直後 | 自己理解のヒントを拾う | 5分 |
| 5. 見返しとピックアップ | 月1回ほど | 繰り返し出てくる関心に気づく | 10分 |
それぞれの項目と記入例を、次の章から順番に載せていきます。まずは朝と夜の2つ。毎日の土台になるテンプレートです。
朝と夜のテンプレート(目標の書き出しと1日の採点)
結論から言うと、朝は「目標を書く」、夜は「1日を採点する」。この2つで、目標に向かう日のリズムが作れます。
テンプレート1. 朝の目標書き出し
- 今日の目標(多くても3つまで)
- 今日やることのリスト
- いま向かっている大きめの目標(1週間・1ヶ月・1年)を読み返す
記入例です。ここまで簡素で問題ありません。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 今日の目標 | 提案資料を完成させる。夜にジャーナリングをする |
| 今日やること | 資料の構成づくり/メール返信2件/30分の読書 |
| 読み返し | 「今年中に◯◯を形にする」を読んで1日を始める |
動画では、ジャーナリングは目標達成率を引き上げてくれる習慣だと話しました。朝に書くのは、その日をいい方向へ倒すためです。僕は書き出した目標を読み返して、未来にワクワクしながらドパミンを出す時間にしています。
ポイントは、毎朝ゼロから考えないことです。3の「大きめの目標」は一度書いたものを読み返すだけでかまいません。僕はカナダの大学に留学していた時期、毎朝自分の目標を書き出していました。YouTubeを伸ばすこと、英語力を伸ばすこと。書く内容が固まってきてからは、書き出したものを毎朝読み返す短縮版に切り替えて、いまも続けています。
朝にこれをやると、1日の最初に「自分が大事にしたいこと」を入れ直せます。学校や会社と違って、自分の目標には強制力がありません。だからこそ、思い出す時間を朝に固定しておく価値があります。目標そのものの立て方は目標の立て方に分けて書いたので、そちらを参照してください。
テンプレート2. 夜の採点
- 今日は100点満点で何点だったか
- 加点要素——今日できたこと・進んだこと
- 減点要素——できなかったこと
- 100点に近づけるために、明日できることは何か
僕のおすすめは、毎晩1日の点数をつけることです。記入例を載せます。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 今日の点数 | 70点 |
| 加点要素 | 資料を最後まで作り切った。朝のジャーナリングを再開できた |
| 減点要素 | 夜にスマホを1時間見て就寝が遅れた |
| 明日できること | 寝る30分前にスマホを充電器に置く |
ポイントは、できたところとできなかったところの両方に目を向けることです。先にできたところから書くのは、完璧主義の人ほど飛ばしがちだからです。行動していれば何かは進んでいます。ただ、その一歩は小さくて直感では感じ取れません。だから記録にして可視化します。この小さな達成感が、長い目標に向かって毎日続けるための燃料です。
そのうえで、できなかったことにも目を向けます。責めるためではなく、「明日できること」を1つ決めるためです。採点と改善を毎晩セットで回すと、達成感を味わいながら目標に近づいていけます。
感情と内省のテンプレート(書く瞑想の中身)
残りの3つは、時間を決めずに使うテンプレートです。ジャーナリングが「書く瞑想」と呼ばれる理由は、ここにあります。
テンプレート3. 感情の書き出し
- 「いま、自分は何を感じている?」と紙の一番上に書く
- 浮かんだことを、手を止めずにそのまま書く
- 何も浮かばなければ「何も浮かばない」と書く
- 3分たったら、やめてもいいし続けてもいい
整った文章にする必要はありません。誤字も脱線もそのままでいい。思考や雑念は、普通に生きているとそのまま流れて消えていきます。書けば、それを後から確認できます。頭の中にあるうちはモヤモヤして抽象的だった思考が、紙に書くと可視化されて具体的になります。不安の正体が見えると、それだけで扱いやすくなる。書き終えた紙が、頭の中の代わりに抱えてくれるイメージです。
この書き方は、心理学ではエクスプレッシブ・ライティング(筆記開示法)と呼ばれる手法がもとになっています。感情を書き出すことが心身に良い影響を与える可能性を示した研究があります(ペネベーカーら、1986年。出典は記事末尾)。効果の感じ方には個人差がありますが、僕の場合は、書き出した直後に頭が軽くなる感覚が分かりやすい変化でした。
この書き方は、ストレスとの向き合い方にも使えます。動画でも話したとおり、思考は単なる物語であって事実ではありません。フィクションです。「心配事の9割は起こらない」という言葉があるように、僕らは起きてもいないことを心配しすぎます。こうなったらどうしよう、という漠然とした不安は、それだけで大きなストレスになります。その心配事を紙に書き出すと、不思議と小さくなっていきます。頭の中にあるうちは抽象的だった思考が、紙の上で具体的になるからです。
テンプレート4. 行動直後の内省
- いま何をしてきたか(事実)
- そこで何を感じたか(感情)
- 気づいたこと・次にやってみたいこと
記入例はこの程度の分量です。「打ち合わせをした(事実)。うまく説明できず悔しかった(感情)。資料より先に結論を言う練習をしてみたい(次)」。3行で1セットになります。
僕がこの使い方に行き着いたのは、2019年4月に慶應義塾大学へ入学してからです。縁あって簿記3級の勉強を始め、予備校に申し込み、大学2年生で公認会計士試験に受かりました。一見するとうまくいっています。ただ、当時の主観的な幸福度は、正直そんなに高くありませんでした。将来の選択肢を広げようと思って勉強し、目標も達成した。でもそれは、どこまで行っても他人軸でした。じゃあ自分は何がやりたいのかと聞かれたら、まったく答えられなかったんです。そのとき助けてくれたのが、18歳のころからコツコツ続けていたジャーナリングでした。紙とペンを用意して、ひたすら自分の頭の中を書き出す。ここから、いまのテンプレート4と5の使い方が固まっていきました。
使うタイミングは、何かを経験した直後です。新しい仕事、人との会話、初めての挑戦。直後に書くほど、感情が新鮮なまま残せます。僕は大学時代、会計士試験の勉強も学生団体もインターンも、行動のたびにこのループを回していました。行動して、書いて、また行動する。この順番が大事で、行動とセットにしないと浅い思考しか出てきません。
テンプレート5. 見返しとピックアップ
- 書きためた紙(またはメモ)をざっと読み返す
- 残しておきたい気づきだけを別の場所に写す
- 繰り返し出てくるワードをメモする
頻度は月1回ほどで十分です。僕はすっきりするために書いたものは破いて捨てて、気づきの部分だけを残す運用にしています。続けていると、自分が何度も同じワードを書いていることに気づく瞬間があります。僕の場合は「留学」と「YouTube」でした。なぜ自分はこの言葉に引きつけられるのか。そこに、やりたいことを見つけるヒントが隠れています。
コーチングでは、書いたり話したりして初めて自分の考えに気づくことをオートクラインと呼びます。1時間前に自分が何を考えていたか、思い出せる人はいません。紙に残っているから、後から気づけるのです。同じ「自分と距離を取る」作業でも、瞑想とは道具が違います。違いは瞑想を1000日続けた話に書きました。
テンプレートどおりに書けない日の使い方
テンプレートがあっても、書けない日は来ます。前提として、それは異常ではありません。僕も最初は3分書いて「自分の好きなことと言われても分からない」で終わる日がありました。
書けない日のルールを3つだけ決めておいてください。
- 1行でもいいことにする。豆粒サイズまで小さくした行動から始めるのがおすすめです
- 項目を全部埋めない。夜の採点なら点数だけ付けて寝てもかまいません
- 書いたら捨てるくらいの気持ちでバーっと書く。気になったものはビリビリに破いて捨てていい
出てきた答えが浅くても気にしなくて大丈夫です。まずは仮説として書いておいて、行動しながら書き換えていけば十分です。深さは、経験が増えればあとから付いてきます。
それでも続かない場合は、テンプレートではなく「時間と場所が決まっていない」ことが原因のケースが多いです。続け方と戻り方はジャーナリングのやり方で詳しく書いたので、あわせて読んでみてください。書くことが思いつかない日のための質問リストも、その記事に載せてあります。
よくある質問
5つ全部やらないとだめですか
1つで大丈夫です。最初に選ぶなら夜の採点をおすすめします。1日5分で、できたことの可視化と明日の改善が両方手に入るからです。慣れてきたら朝の目標書き出しを足すと、朝晩がつながります。
テーマ集とテンプレートはどう違いますか
テーマは「何について書くか」のお題、テンプレートは「どの順番で書くか」の書式です。テーマをいくつ集めても書き出しの迷いは残るので、先に型を1つ決めて、テーマはその中の1項目として使うのが僕のおすすめです。
1回にどれくらい時間がかかりますか
3分から始められます。僕も最初は3分書いて終わりの日がありました。僕の実感では、長く書くことより小さく毎日触る方が続きやすいです。時間があるときだけ10分に伸ばす、で十分です。
書いた紙は取っておくべきですか
捨ててかまいません。僕は感情の整理のために書いたものは破いて捨てて、気づきと繰り返し出てくる単語だけを別の場所に残しています。全部保存すると読み返しきれず、見返しの習慣ごと止まりやすいからです。
アプリやスマホでも使えますか
使えます。5つの型は紙でもアプリでも同じ形で運用できます。僕は感情の書き出しは紙、固まった目標の読み返しはNotionという使い分けです。道具選びの考え方はジャーナリングのやり方の記事に書いています。
まとめ
最後に、この記事の要点をまとめます。
- テンプレートは「どの順番で書くか」の書式。テーマ集より先に、型を1つ決める
- 僕が使っているのは、朝の目標・夜の採点・感情の書き出し・行動直後の内省・月1の見返しの5つ
- 最初の1つは夜の採点から。できたことを先に書き、明日できることを1つ決める
- 書けない日は1行でいい。紙は捨てていい。完璧に埋めることが目的ではない
型が手に入ったら、次は続け方です。3ステップのやり方と、崩れたときの戻り方をジャーナリングのやり方にまとめてあります。テンプレートとあわせて、今日の夜から使ってみてください。
出典
- Pennebaker, J. W., & Beall, S. K. (1986). Confronting a traumatic event: Toward an understanding of inhibition and disease. Journal of Abnormal Psychology, 95(3), 274–281. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/3745650/